マグネットスイッチの仕組み|家庭用と業務用の違い
通販サイトでマグネットスイッチを検索すると、窓枠に貼る指先ほどの検知部品と、モーターを動かす電磁開閉器が同じ名前で並びます。
前者は磁石が近づくと接点が閉じるリードスイッチで、選ぶときに見る数字は動作距離(mm)と接点容量(VまたはA)です。
後者はJIS C 8201-4-1で扱われる接触器とサーマルリレーの組み合わせで、見る数字は適用モータ容量(kW)と操作コイル電圧になります。
照明や開閉検知に使いたい人が必要としているのは前者ですが、検索結果には後者が混ざります。
しかも前者の中でも、接点式か半導体式か、a接点かb接点かで配線後の動きが逆になります。
本記事では、a接点とb接点の読み分け・動作距離が製品ごとにずれる理由・パッケージのどこに定格が書かれているかまで解説します。

マグネット党編集部
マグネットの選び方を用途別に解説。100均・収納・スマホ・車・DIY・印刷用まで、耐荷重と貼る面で比較できます。仕様はメーカー公式や公的機関の資料で確認し、時点を明記しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
マグネットスイッチという名前は、2種類の別物に使われています
同じ言葉で呼ばれている以上、まず自分が欲しいのがどちらなのかを決めないと、仕様表の見方そのものが変わります。判別は簡単で、磁石が近づいたことを合図にしたいのか、大きな電流を入り切りしたいのかで分かれます。
磁石の接近を検知するタイプ
窓やドアの開閉検知、機械の位置検出に使われるのがこのタイプです。
中身は不活性ガスを封入したガラス管に強磁性のリード片を向かい合わせに封じたもので、外から磁界が加わるとリード片が引き合って接点が閉じます。
磁石を離せば元に戻る構造なので、電源を持たずに接点として働くのが特徴です。
半導体のホール素子を使った無接点タイプもあり、こちらは動作用の電源電圧が指定されているかわりに、機械的な摩耗がありません。
電気工事でいうマグネットスイッチ
ポンプや送風機の運転に使う電磁開閉器を、現場ではマグネットスイッチと呼びます。
操作コイルに電圧をかけて主接点を閉じる電磁接触器と、過負荷で回路を切るサーマルリレーを組み合わせた機器です。
磁石を近づけて使うものではないため、この記事で扱う照明や家電まわりの用途とは無関係です。
仕様表に「適用モータ容量」「AC-3」といった記載があれば、それはこちらの製品です。
マグネットスイッチの表示で見るのは、接点・動作距離・定格の3つ
検知タイプの商品ページには、暗号のような略号が並びます。意味が分かれば見る場所は限られます。
| 表記 | 意味 | この表示を優先して見る人 |
|---|---|---|
| a接点/NO(ノーマルオープン) | 磁石が離れているときは開いていて、近づくと閉じます | 閉まっている状態を「通常」として、開いたら止めたい人 |
| b接点/NC(ノーマルクローズ) | 磁石が近いときは閉じていて、離れると開きます | ドアが開いたときに信号を出したい人 |
| c接点/SPDT | 共通端子を2つの接点に切り替えます | 開いたとき閉じたときの両方で別の動きをさせたい人 |
| 動作距離(mm) | 付属または指定の磁石を近づけたときに接点が動く距離です | 枠と扉に段差があり、磁石とスイッチが離れてしまう人 |
| 接点容量(V・A、WまたはVA) | 接点に直接流せる電圧と電流の上限です | スイッチで機器を直接動かしたい人 |
| IP等級(IEC 60529) | 粉塵と水に対する保護の程度で、IP67なら粉塵の侵入がなく一時的な水没に耐えます | 屋外の門扉や浴室まわりに付けたい人 |
この中でいちばん取り違えが多いのがa接点とb接点です。
配線は同じでも、警報が鳴るタイミングがちょうど逆になります。
開閉検知の使い方そのものはマグネットセンサーの用途で解説しています。
用途と取り付け面からマグネットスイッチを絞る手順
好みで選ぶ部分はほとんどありません。次の順に条件を当てはめると、候補は数点まで絞れます。
何を動かすのかで接点を決める
ブザーや小型のLEDを直接鳴らしたいなら、その負荷の電圧と電流が接点容量の内側に収まっているかを先に確かめてください。
マイコンや警報盤に信号だけを渡すのであれば、必要な電流はごく小さいので容量の余裕は問題になりません。
かわりに、開いたときに信号を出すのか閉じたときに出すのかを決めて、a接点かb接点かを選びます。
取り付け面の材質で固定方法を決める
スイッチ本体と磁石は、扉側と枠側に分けて付けます。
木製サッシや樹脂サッシなら付属の両面テープかねじで固定できますが、鉄枠の場合は磁束が枠に回るため、同じ隙間でも反応の出方が変わります。
ステンレスは種類によって磁石が付くものと付かないものがあるので、小さな磁石を当てて確かめてから固定方法を決めてください。
隙間の実寸を測って動作距離を選ぶ
扉を閉めた状態で、磁石を置く面とスイッチを置く面の距離を実測します。
この寸法より動作距離の表示が小さい製品を選ぶと、閉めても接点が動きません。
段差や框(かまち)があって10mm以上離れる取り付けでは、動作距離の大きい製品か、磁石の大きいセットを選ぶことになります。
動作距離の表示が製品ごとにずれる理由
同じ「動作距離10mm」と書かれていても、実際に反応する距離は取り付け方で変わります。表示が、決められた条件での測定値だからです。
まず、動作距離はスイッチ単体では決まりません。
組み合わせる磁石の強さと大きさで決まるので、メーカーは付属マグネットや指定型番との組み合わせを前提に数字を出しています。
手持ちの磁石で代用すると、その前提が崩れます。
次に、接点が閉じる距離と離れて戻る距離は同じではありません。
閉じてから戻るまでには差があり、この差があるおかげで、扉が風で少し揺れても信号がばたつかない作りになっています。
さらに、周囲の鉄が磁束の通り道になると、同じ距離でも接点に届く磁界が弱まります。
鉄製のシャッターや金属枠に埋め込む取り付けでは、表示より近づけないと動かないことがあります。
カタログ値を上限として見て、実寸には余裕を持たせるのが安全です。
定格を超えたマグネットスイッチは、反応しないか接点が戻らなくなります
選び間違いの症状は、原因ごとにはっきり分かれています。
動作距離が足りなければ、扉を閉めても何も起きません。
逆に距離が過剰で磁石が大きすぎる場合は、扉が半開きのままでも閉じたと判定され、防犯用途では意味をなさなくなります。
やってはいけないのが接点容量を超えた使い方です。
リード片は細い金属なので、定格を超える電流を流すと接点が溶けて張り付き、磁石を離しても回路が切れなくなります。
カタログの接点容量は抵抗負荷を基準にした値で、モーターやリレーのコイル、LED電源のように突入電流が流れる負荷では、表示の範囲でも厳しくなります。
心配なら、スイッチで直接動かすのではなく、リレーを介して負荷側を切り替えてください。
屋外に付ける場合は水も要注意です。
IP等級の記載がない製品を門扉や物置に付けると、雨水が入って接点が錆び、開閉が不安定になります。
玄関まわりの照明を人の動きで点けたいだけなら、磁石で検知する仕組みよりマグネットのセンサーライトで解説している人感タイプのほうが素直です。
接点構成と定格はパッケージのどこに書いてあるか
店頭のパッケージなら、裏面か側面の仕様欄を見てください。
「接点構成」「接点定格」「動作距離」「使用温度範囲」がまとめて並んでいるのが普通です。
a接点かb接点かは、この仕様欄と、接点の開閉を線図で示した記号で確認できます。
線が離れて描かれていればa接点、つながっていればb接点です。
通販サイトでは、商品説明の本文より仕様表のほうが確実です。
型番の末尾に接点構成やリード線の長さを表す記号が付いている製品も多く、同じ写真でも末尾一文字で中身が違います。
型番を丸ごとコピーして検索し、メーカーのデータシートを開けば、動作距離の測定条件と接点容量の負荷条件まで書かれています。
本体にはたいてい型番の刻印か印字があるので、既設品を交換するときはそれを読み取ってから同じ表示のものを探すのが早いです。
なお、電池で動く小型のライトに付いているオン・オフの押しボタンは、ここまで説明してきた検知用のスイッチとは別物です。
ライト本体の選び方はマグネットのLEDライトの明るさ比較で解説しています。
よくある質問
マグネットスイッチとリードスイッチは同じものですか
検知用の製品では、ほぼ同じものを指して使われています。
リードスイッチは接点部品そのものの名前で、それをケースに入れて磁石とセットにした完成品がマグネットスイッチや磁気近接スイッチとして売られています。
ただし、マグネットスイッチという言葉は電磁開閉器も指すため、商品ページの仕様欄で動作距離の表示があるかどうかを見て判別してください。
ステンレスの窓枠にも取り付けられますか
取り付け自体は両面テープやねじでできます。
注意したいのは、ステンレスには磁石が付く種類と付かない種類があることで、磁石が付く枠だと磁束が枠側に流れて反応が鈍くなる場合があります。
小さな磁石を枠に当てて、吸い付くかどうかを先に確かめ、吸い付くなら動作距離に余裕のある製品を選ぶか、磁石とスイッチの間に樹脂の板を挟んで枠から浮かせる取り付けを検討してください。
電池式のライトを磁石の検知でオンにできますか
スイッチだけを買い足して既製のライトに組み込むのは、電源の配線を触ることになるので勧められません。
扉を開けたときに点灯させたい用途なら、開閉検知を内蔵した照明製品を選ぶほうが確実です。
工具用のバッテリーで動く作業灯にも磁石で固定できるものがあり、その対応関係はマキタのマグネットライトのバッテリー互換で解説しています。
まとめ
マグネットスイッチを選ぶときに確認する項目は、a接点かb接点かという接点構成、扉の隙間に対して足りているかという動作距離、つなぐ負荷に対して余裕があるかという接点容量、そして屋外ならIP等級の4点です。
動作距離は付属磁石との組み合わせで測った値なので、実寸より大きい表示を選び、鉄枠に付けるときはさらに余裕を見てください。
名前が同じ電磁開閉器は、適用モータ容量の記載で見分けられます。
ぜひ本記事の表記の対応表と、用途・取り付け面・隙間の実寸から絞る手順を参考に、パッケージの仕様欄を確かめてから選んでください。




