マグネットセンサーは何に使える?防犯と開閉検知の用途
商品ページの仕様欄に「動作距離10mm」とだけ書かれていて、その10mmが本体と磁石の間なのか、扉と枠の隙間なのかが説明されていないことがあります。マグネットセンサーは磁石が近づくと回路をオンまたはオフに切り替える部品で、この動作距離は多くの場合、指定の磁石を正面から近づけたときに切り替わる最大の間隔を指します。
やっかいなのは、同じ数値でも取り付け面が鉄の扉だと磁束が鋼板側へ流れてしまい、表記より手前で反応しなくなることです。本記事では、リードスイッチとホールICの違い・動作距離とNO/NC接点の読み方・鉄の扉で検知距離が縮む理由を解説します。

マグネット党編集部
マグネットの選び方を用途別に解説。100均・収納・スマホ・車・DIY・印刷用まで、耐荷重と貼る面で比較できます。仕様はメーカー公式や公的機関の資料で確認し、時点を明記しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
マグネットセンサーは磁石の接近を電気信号に変える部品
マグネットセンサー本体は、それ単体では何もしません。
相手側の磁石と二部品で一組として働くので、扉に使うなら枠側にセンサー、扉側に磁石を付けるのが基本の組み方になります。
防犯機器の開閉検知、スマートホーム用のドアセンサー、ノートパソコンの蓋を閉じたときの画面消灯まで用途は幅広いものの、中で磁界を受け取っている素子は2タイプしかありません。
リードスイッチ方式
ガラス管の中に磁性体の細い板を向かい合わせて封入した構造で、磁界が加わると板同士が引き合って接触します。
機械の接点そのものなので、センサー側に電源が要りません。
感度はAT(アンペアターン)という単位で表され、数値が小さいほど弱い磁界で動作します。
ガラス管である以上、ねじの締め付けすぎや落下の衝撃には強くないと考えてください。
ホールIC方式
半導体に磁界が加わると電圧が生じるホール効果を利用した素子で、接点がないため機械的な摩耗が起きません。
動作する磁束密度はmT(ミリテスラ)またはガウスで書かれ、1mTは10ガウスに相当します。
ただし動作には電源が必要で、電池式の製品では消費電流がそのまま電池の持ちを左右します。
極性を選ぶタイプもあり、磁石のN極とS極のどちらを向けるかで動く場合と動かない場合が分かれます。
なお、ここで扱う磁石は検知させるためのもので、機器を面に固定する用途の磁力とは目的が別です。
器具そのものを磁力で留める製品の磁力の考え方は、マグネットのLEDライトの明るさと電池持ちの比較で解説しています。
仕様欄に並ぶ表記は6つ|マグネットセンサーの単位と記号
製品ページや箱の裏に並ぶ表記は、次の6つに絞って見れば足ります。自分がどれを見るべきかは、既製の磁石とセットで買うのか、部品として組み込むのかで変わります。
| 表記 | 意味 | とくに見るべき人 |
|---|---|---|
| AT(アンペアターン) | リードスイッチが動作する磁界の強さ。小さいほど弱い磁界で動く | 磁石を別のものに替えたい人 |
| mT・ガウス | ホールICが動作する磁束密度。1mT=10ガウス | 基板に組み込む人 |
| 動作距離・検知距離(mm) | 指定の磁石を近づけたとき切り替わる最大の間隔 | 扉と枠の隙間が広い人 |
| 復帰距離・解除距離(mm) | 離してオフに戻る間隔。動作距離より遠い | 半開きを検知したい人 |
| 接点形式(NO/NC/切替) | 磁石が近いときに回路が閉じるか開くか | 警報や制御につなぐ人 |
| 接点容量(V・A・W)・IP等級 | 直結できる負荷の上限と、防じん防水の程度 | 屋外や浴室で使う人 |
動作距離は指定の磁石を正面から近づけた値
買う前に最初に照らし合わせるのは、動作距離と実際の隙間です。
閉めたときの扉と枠のすき間、そこにセンサーと磁石の厚みを足した合計が、動作距離の内側に収まっていなければ反応しません。
巻き尺で隙間を測り、その数値より余裕のある製品を選ぶ、という順で決めれば迷いません。
動作距離と復帰距離は同じではない
磁石を近づけていくとある位置でオンになりますが、そこから離してもすぐには戻らず、動作した位置よりさらに遠ざけたところでオフに切り替わります。
この差が復帰距離との開きで、リードスイッチでは構造上どうしても生じます。
扉を数センチ開けた状態を「開いた」と判定させたい場合、この差の分だけ判定が遅れると考えておいてください。
鉄の扉に付けると距離が縮む
磁束は磁性体を通りやすいため、鋼板の玄関ドアや鉄製の門扉に直接取り付けると、磁石から出た磁束が板側へ流れてセンサーに届く量が減ります。
その結果、樹脂枠で測った表記どおりの距離では反応しなくなります。
金属扉向けと書かれた製品は、磁石を強くしたり樹脂のスペーサーを挟んで板から浮かせたりして、この目減りを織り込んだ設計になっています。
NOとNCは、配線が切れたときの挙動で選ぶ
接点形式のうちNO(ノーマルオープン、A接点)は磁石が近づくと回路が閉じ、NC(ノーマルクローズ、B接点)は磁石が近いときに閉じていて離れると開きます。
防犯用途でNCが選ばれるのは、扉を開けたときだけでなく、配線を切られた場合も同じ「開放」の状態になるからです。
逆に、扉が閉まったことをきっかけに何かを動かしたいならNOのほうが素直です。
切替(C接点)はどちらの使い方もできる代わりに端子が増えます。
無線でスマートフォンへ通知する製品では、この接点形式が仕様欄に出てこないこともあります。
リレーの動作そのものを知りたい場合は、マグネットスイッチの仕組みと家庭用・業務用の違いで解説しています。
マグネットセンサーの動作距離が製品ごとにずれる理由
同じ「検知距離15mm」でも実際の使い勝手が揃わないのは、測り方の前提が各社で違うからです。
まず磁石が同梱かどうかで意味が変わり、同梱品なら組み合わせ前提の値ですが、別売なら磁石の強さ次第で数値が動きます。
次に近づけ方の向きで、正面から真っすぐ近づけた値と、扉のように横へすべらせて通過させた値では後者のほうが短く出ます。
取り付け面の材質を樹脂で測っているか鉄板で測っているかも、先に述べたとおり結果を変えます。
そのため、数値の大小だけを比べても判断できません。実寸の隙間に対して動作距離が2倍程度ある製品を選び、同梱の磁石をそのまま使うのが、条件のばらつきを吸収する現実的な方法です。
合わないセンサーを選ぶと、扉を閉めても反応しません
動作距離が足りない場合の症状は分かりやすく、閉めきっても検知されない、あるいは日によって反応したりしなかったりします。
逆に感度が高すぎる組み合わせでは、数センチ開いていても閉扉と判定され、防犯の役目を果たしません。
ホールICで極性を選ぶタイプに磁石を裏返して取り付けたときは、距離をいくら詰めても反応しないままです。
屋外でIP等級の足りない製品を使えば、内部に水が入って接点が腐食し、誤作動や不通に至ります。
屋外や浴室で使う部材の防錆については、マグネットの鏡の取り付け面と防錆でも同じ考え方を解説しています。
仕様はどこに書かれているか
箱の裏やブリスターパックの台紙には、動作距離と接点形式、IP等級までは載っていることが多いものの、復帰距離やAT値までは書かれていません。
そこまで必要なら、メーカーサイトの型番ページにあるデータシートを開いてください。
型番の末尾に接点形式や感度を示す記号が付く製品もあるため、同じ見た目でも末尾違いを取り違えないよう注意が要ります。
取扱いは店舗や時期で変わるので、店頭で決めきれないときは型番を控えて後で仕様を照合するほうが確実です。
よくある質問
マグネットセンサーとマグネットスイッチは同じものですか
売り場では両方の呼び方が混ざります。
磁石で開閉を検知する部品を指す場合はほぼ同じものですが、電磁石でリレーを動かす電磁開閉器を「マグネットスイッチ」と呼ぶ分野もあり、そちらは別の機器です。
検索するときは「開閉センサー」「ドアセンサー」といった語を足すと、目的の製品に絞り込めます。
付属の磁石を市販のネオジム磁石で代用できますか
すすめられません。
カタログの動作距離は指定の磁石を前提にした値なので、強い磁石に替えると検知距離が伸びて半開きを閉扉と誤判定することがあります。
極性を選ぶタイプでは向きの問題も出ます。
なお、ネオジム磁石は子どもの手が届く場所に置かないでください。
消費者庁が2022年3月に誤飲事故の注意喚起を出しています。
植込み型の医療機器を使っている場合は、日本不整脈心電学会が15cm程度以上離すよう案内しています。
ステンレスの扉でも取り付けられますか
ステンレスは種類によって磁石が付くものと付かないものがあるため、見た目では判断できません。
手持ちの小さな磁石を扉と枠にそれぞれ当てて、吸い付くかどうかを先に確かめてください。
吸い付く面なら磁性体なので、鉄の扉と同じく検知距離が縮む前提で余裕のある製品を選びます。
玄関まわりで人の動きを拾う機器を検討している場合は、マグネットのセンサーライトの玄関での点灯範囲で扱っている人感タイプのほうが目的に合うこともあります。
まとめ
マグネットセンサーで先に決まるのは、閉めたときの隙間に動作距離が足りているかどうかで、次に配線が切れたときの挙動からNOとNCを選びます。
鉄の扉なら表記より短く出る前提で余裕を取り、屋外ならIP等級まで確認してください。
ぜひ本記事の表記一覧表と、動作距離を実寸の2倍で見る目安を手がかりに、手元の扉に合う一組を選んでみてください。



